『翠星ののガルガンディア』 村田和也監督


ここ数年でもトップクラスの私好みな作品でした。脚本が虚淵さんなので細かな部分での不満は少ないし、出てくるガジェット群も非常に素晴らしかった。惜しむべきは13話という尺の短さ。ストーリーとしてはきちんと完結しているし、特に不満もないのだけど、これだけ良い世界観だと凄くもったいない。

特別ストーリー的に何か良かったって言うほどの特別な何かはたぶんないです。実際脚本の虚淵さんが言うように骨太の王道ストーリーですから。でも、それらを丁寧に組み立て演出されているのが良かったなぁ。まぁチェインバーの存在は個人的にデカかったですけど笑。

ロボットモノとしては最近は少なかった(たぶん?)、AIが搭載されているタイプのロボでした。調べてみると、自分がいかにロボアニメを全然見ていないのかが良くわかります。(ロボットアニメ - Wikipedia)

比較的最近のロボアニメはそういう作品も増えているのかもしれませんけど、ガルガンディアで感じたのはチェインバーに寄ったときのシーンで機体のディティールがしっかり描かれていて凄くいいなぁと思いました。ロボアニメって3DCG化でだいぶこなれてきた感じはするんですが、アニメの雰囲気には合ってきてはいても、その巨大さがイマイチ表現できていないなぁと思うところがあったので、ガルガンディアでその辺のディティールがシーンに合わせて増強されていてとても好印象でした。


また小型のヘッドセットを介して視覚映像の取得、解析、支援など、そういう細かな設定もよく出来ていて超好きでした笑。AIが搭載されているとこういった連携がいろいろできるので、未知の世界の探検というのには素晴らしい相棒でした。
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以下は結構なネタバレを含むので見てない人は見ないように。


とても良かったなぁと思うのが、パイロット支援啓発インターフェースシステムという枠組みの中できちんとチェインバーが思考し続けて、結論を導きだしたところです。人類銀河同盟との相互リンクが解除された状態でも、独立した思考ユニットとして情報収集&処理し判断を下した結果がとても全うな結論だったのはとても好きでした。敵は何者であるか?私たちは何者であるのか?という疑問に対してきちんと、誠実に答えていて、正しい思考をしていたからです。

そうやって明かされていくマクロの背景はそれだけで素晴らしい世界観があることを伝えてくれますし、とても気になる話ではありましたが、主人公レドがどうやってこの世界で生きていくのかがメインのテーマでした。はっきり言って、この素晴らしい美しい世界がここにあるよってだけでもう十分すぎる答えなんですけどね。ただそれに気づくだけでいい。

わたしはパイロット支援啓発システム。
あなたがより多くの成果を獲得することで存在意義を達成する。
この空と海のすべてがあなたに可能性をもたらすだろう。
生存せよ 探求せよ その生命に最大の成果を期待する。

最後にこのセリフが聞けただけでもう大満足な作品でした。

地球環境の激変という事態に対して、人類は3つのアプローチをとったグループに別れたというのもとても好きですしね。別段、どれが良くてどれが良くなかったということはなくって、それこそが世界だと思うし、絶対にまとまらないもの。
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BD買おうかなぁ…すごく欲しいかも。
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