『チョコレートドーナツ』  トラヴィス・ファイン監督

チョコレートドーナツ(字幕版)

1979年にゲイのカップルが親に育児放棄されたダウン症の子供を養子にしようとして...というお話。

 

実際にブルックリンのゲイのカップルが障害児を育てたという実話が元になっているようです。映画ではそこから養子にとって育てようとしたらどうなるのか?を非常にリアルにそしてあの時代における差別を描いていきます。親権の問題は別に詳しいわけでもないので、何も語れませんけど、法律上優先される親権とそれが幸せになるのかはイコールでもないし、まして裁判でそれを明らかにするのは非常に難しいと思います。今回の映画では非常に意識的な差別が感じられる登場人物の妨害もありましたが、たとえそういった妨害がなかった最初の裁判でもゲイに対する偏見が拭えない判決が下ります。映画は最後には、ハッピーエンドにはならず、その子は施設を抜け出して放浪後に死んでしまうという末路でした。

 

フィクションではありますけど、起こる出来事はリアルで、マイノリティへの世界の不寛容さ、理不尽さが本当に切実に感じられる内容でした。