『企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』 松井博
今の巨大企業が国家を超えた存在として、世界中に影響力を持ちつつあるというのは普通に生活していても実感できることですが、それらに共通する企業構造について書かれたこの本は結構興味深いものでした。いつも追っているAppleやGoogleなどの動きはこの本で知るまでもないことでしたが、マクドナルドやエクソンなどについては中々新鮮で面白かった。食に関することは恐ろしさを感じる部分が多いのも確か。
新連載・佐々木俊尚×松井博 グローバル化と幸福の怪しい関係:会社が大きくなって、手にしたモノ、失ったモノ (1/5) - ITmedia ビジネスオンライン
個々人がどう思うかに関係なく、これらの企業は圧倒的な規模を誇りながら、本社にはわずかな人間しかおらず、非常に効率化された組織となっています。すでに様々な分野で仕事がグローバル化、つまりは世界で同じ基準で評価されるようになっています。そこでは今まで先進国にいたから得られたような雇用はなくなり、世界を相手に競争させられる時代になりつつあります。Appleの委託工場であるファックスコンの例にもれず、単純労働である使われる側と使う側の二極化がより一層、広がっていくとこの本では書かれています。その簡単な仕事ですら、ロボットに奪われていくのですから、非常に厳しい。
中小企業が格安で導入できる産業用ロボット「バクスター」が凄い! – Social Design News
後半で述べられるこの時代にどうやって生きていくかは、ほとんどワーク・シフトでも書かれていたことですね。
ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>
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個人情報の管理の難しさ
これらの企業の恐ろしさは、それなしでは中々生活するには不便だというところでしょう。GoogleやFacebook、またAppleやMicrosoftなど、日々の生活において欠かせないものを提供しています。しかしながら、そこには自分の個人情報などを彼らに握られることでもあるのです。まぁこれをどういう風に捉えるのかはどうやって付き合っていくのかは個々人できちんと判断出来れば問題はないとは私は思います。もっとも、何も理解しないままに利用されてしまうことが多いのが現状でしょう。すべてを委ねないことが重要だとは思います。彼らは企業でないので、私たちは選択することができますから。まぁ一部はそれが出来ないレベルに達しているのが困りモノなのでしょうが。