『キック・アス』 マシュー・ヴォーン監督

キック・アス Blu-ray(特典DVD付2枚組)

　アメコミ好きでスーパーヒーローに憧れるニューヨークの高校生デイヴ。ある日彼は、インターネットで手に入れたコスチュームを身に纏い、勧善懲悪のヒーロー“キック・アス”として街に繰り出す。しかし、何の能力も持たない彼は最初のパトロールでチンピラにボコボコにされ重傷を負ってしまう。ところが、その治療で体中に金属を埋め込み、神経の損傷で痛みにも鈍感になったデイヴは無類の打たれ強さを身につけていた。そして、懲りずにパトロールを再開したデイヴ。すると、その様子を野次馬が動画サイトにアップしたことからキック・アスの名はたちまち知れ渡り、一躍時の人に。だが、そんなキック・アスの活躍ぶりを知った地元マフィアのボス、ダミコは最近起きた組織のトラブルを彼の仕業と勘違いし、キック・アスの抹殺へと乗り出す。ところが、実際はキック・アスの影で別のヒーローが暗躍していた。その正体は、ダミコへの復讐に燃える元警官の“ビッグ・ダディ”と、彼が手塩に掛け恐るべき殺人マシーンへと鍛え上げた娘“ヒット・ガール”だった。やがてキック・アスは、この親子とダミコの血で血を洗う戦いの渦に巻き込まれていくのだが…。
映画 キック・アス - allcinema

アメリカのヒーローの話って相変わらずどれもいいなー。きちんと次に進んでるのがいい。スパイダーマンやファンタスティックフォーなど、数あるアメコミヒーローたちにはたいてい何らかの特殊な能力、ただの人間には為し得ないことができてヒーローとなるわけですが、この主人公はモテない、運動神経もよくない、勉強もできない、ゲームもできない、ただのオタク。ここまでゲームもうまくないオタクまでくると笑えてきますよね。ヒーローになるための要素はほとんど何も持っていない、持っているのは「ヒーローになりたい」、「正義を為したい」という気持ちだけ。でもそれだからこそ、ほかのヒーローにはない魅力だと思う。等身大ヒーロー、ナイフでさされ、車に轢かれれば、救急車で運ばれるしかない本当に普通の人間。小さな勇気だけが武器。たったこれだけでもできることはある、そんなヒーロー。現実を見ることも悪くはないけれど、現実の自分には何もないかもしれないけど、勇気を持ってば、なせることはあるかもしれない。「ちょっとはバカやろうぜ」ってのは結構好きなので良かったですね。