『ほしのうえでめぐる』  倉橋ユウス

ほしのうえでめぐる 1 (BLADE COMICS)

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未来ってなんだろうって思った時に、このマンガを読んでしまうような人ならば「そりゃ宇宙エレベーターだろう」と答えるでしょう。

リニアモーターカーもそうだった」
乗れた頃にはこんな年になってたって
宇宙エレベーターなんて俺達が生きているうちなんか無理だ

それでも、宇宙エレベーターという手段が正しいとか可能性のある選択肢かはともかく、未来にたどり着くには宇宙に行くしかない。新たなるフロンティアを求めた先にはそれしかないもの(物理的なフロンティアはね)。ただ実現には正直確かなビジョンと技術力と莫大なお金なしには実現し得ないし、物語であってさえ、それは大いなる夢想家なしには成し得ない笑。その辺踏まえると1世紀近く建設されたダブルオーの軌道エレベーターは比較的まっとうな設定だったなーと思う。

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まぁこの話には2巻という尺の短さの割に結構いろいろな要素が絡んでくる。最後には宇宙人すらも笑。この話も当然、原田という世界でも指折りの大金持ち登場する。が主軸は、宇宙エレベーターを作ろうとする中でめぐるたくさんのオムニバスストーリー。とは言いつつ、帯にあるようにオムニバスSFラブストーリーというのが正しいです笑。宇宙エレベーターという希望の象徴をめぐる人々の思いの話。

中でも昆虫のようなロボット、グレゴリーの話がとても好きでした。介護ロボットということで、ある意味ドラえもんのび太くん的な立ち位置にも見える、実際、最後の会話なんかはドラえもんが未来へ帰る回を思い出した。そして、故郷へ帰れなくなった宇宙人とかすっごくたまらない話ばかり。好きだなーこれ。最後のエレゴンとベタコの話はきっと後藤さんの話を聞いて、あの奥さんが書いたんだろうからねー。ベタコって名前もいい笑。