『東京ゴッドファーザーズ』 今敏監督

 東京・新宿。元競輪選手のギンちゃん、元ドラッグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキのホームレス3人は、町の片隅で威勢よく生きていた。そんな彼らはクリスマスの夜、ゴミ置き場の中からひとりの赤ん坊を見つける。ギンちゃんは、すぐに警察に届けるべきだと主張するが、ずっと赤ん坊を欲しがっていたハナちゃんは、勝手に“清子”と命名して大はしゃぎ。結局、ハナちゃんに押し切られる形で3人は自分たちで清子の親探しをすることに。手掛かりはスナックの名刺と数枚の写真だけ。それでも3人は希望を抱いて奔走するのだが…。
allcinemaより

面白かった。今敏監督のアニメでしかできないようなことをやるってのができていて素晴らしいと思う。前作の千年女優もアニメじゃないと無理だし、パプリカなんかもそうで、アニメーションって感じですね。この三つの中では一番エンタメ志向の強い作品です。ホームレスが主人公っていう冒頭で個人的にはかなり引き込まれました。オカマキャラってのはかなりの確率で良い人ですよね。この作品は基本的にあり得ないだろうと思うような偶然ですべてが進んで行くので、それが何が何でも許せないというような人には向いていないかもしれません。ありえない偶然が起こるのが物語だと思う自分には問題なかったです(もちろん納得のいかない作品も世の中にはありますが)映画の尺じゃ偶然を必然に納得させられるような物語を描くことはできないですし、だったらむしろこれは運命だってしたほうがいいですよね。ホームレスに対する一般人の描写は結構リアルです。声優はほとんどやったことない人たちがやっていますが全然違和感はなかったですね。良いアニメーションでした。