『未知への飛行』 シドニー・ルメット監督

アメリカの軍事コンピュータが、誤ってソ連に対する核攻撃指令を発してしまう。命令を受けた爆撃機は直ちにモスクワへ向けて発進、帰還可能ポイント=フェイル・セイフを超えてしまう。ソ連側の迎撃部隊も、爆撃機を撃墜することができず、ついに全ての手段は失われる……。
映画 未知への飛行 - allcinema

十二人の怒れる男」の監督ということで観てみた。やっぱり好きだな、この人の映画。こんな事態はまず起こりえないような事態だけれども、そういう展開になったとしたらという意味でなかなか面白い。冷戦状態のアメリカとソ連であっても、核兵器はあくまで抑止力。基本スタイルはそうであるはず。軍人たちが黙秘しようとする様は視ていて、あーたしかに辛いなーと思った。システム自体が問題ではあって、普通、何にでもバックアップは存在するものです。それが大事であればあるほど。その辺は設定としてどうかな?って思わないでもない。でもまぁ一度起こってしまった事態に対して、どう行動をとるのかという一点において、軍人と文人の差みたいなものが面白い。別に大佐の気持ちもわからないもんでもないんです。「これは敵の罠かもしれない」疑うことは最も簡単ですから。「信じることほど難しいこともない」最終的にとれる選択というのはひとつしかありません。解決策になるかと言われればならない。しかし、選択すべきはそれしかない。それが人間として選びうる最後の選択肢です。