『コクリコ坂から』 宮崎吾朗監督

 1963年、横浜。港の見える丘に建つ古い洋館“コクリコ荘”。ここに暮らす16歳の少女、松崎海は、大学教授の母に代わってこの下宿屋を切り盛りするしっかり者。あわただしい朝でも、船乗りの父に教わった信号旗(安全な航行を祈る)をあげることは欠かさない。そんな海が通う高校では、歴史ある文化部部室の建物、通称“カルチェラタン”の取り壊しを巡って学生たちによる反対運動が起こっていた。ひょんなことから彼らの騒動に巻き込まれた海は、反対メンバーの一人、風間俊と出会い、2人は次第に惹かれ合っていくのだが…。
映画 アニメ コクリコ坂から - allcinema

こういうのを見ると相変わらず、自分はこれが好きなんだなぁと思う。


ストーリーだけなら、本当にありきたりですけども、きちんとそれを上手く魅せれるかってところが大事。そこにおいてコクリコ坂は満足が行くレベルに問題がない…というかメッチャ好きです。最後の二人が走って、船に向かうシーンなんかは、「やっぱり、たまらない」って思いましたもの。ちょいちょい音楽が流れる演出はそこまで好みではないですけど、ここは良かった。そしてメインとなる舞台の学校がとても良かった。学生であること、自分のやりたい何かをやってること、そしてそれが楽しいということ、それが伝わってきます。あの部室のそれぞれが、楽しそうで、今回の背景は良かった。


ここで語られているように、この時代にはあった、この映画のキーフレーズの「上を向いて歩こう」というのはよく分かります。まぁ高度成長期の時代と今の時代じゃ、それは若者も変わらざるを得ないとも言いたいけども、それでも「上を向いて歩こう」というメッセージは十分に伝わりました。



ただ、名前に関しては若干分かりにくかったかなぁ。あと長澤まさみが意外に良かった。あの素っ気ない感じの声がたまらないです(笑) メルがすごく可愛いので、序盤からもう満足なんて思っていましたけど、シンプルでいい作品だったと思います。気に入る人は気に入るそんな感じの映画でした。