『冷たい熱帯魚』 園子温監督

冷たい熱帯魚 [DVD]

2009年1月14日。小さな熱帯魚屋を経営する社本信行とその妻・妙子は、万引で捕まった娘・美津子を引き取りにスーパーへと向かう。すると、その場に居合わせた店長の知り合いという村田幸雄の取りなしで、美津子は何とか無罪放免に。村田も熱帯魚屋のオーナーだったが、規模は社本の店とは比べものにならないほど大きなものだった。人の良さそうな村田は、美津子を自分の店で預かってもいいと提案、継母である妙子との不仲に頭を痛めていた社本は、その申し出を受入れることに。さらに村田は、高級熱帯魚の繁殖という儲け話にも社本を誘い込む。その口の上手さと押しの強さを前に、いつの間にか村田のペースに呑み込まれてしまう社本だったが…。
映画 冷たい熱帯魚 - allcinema

すげーパンチのある映画でした。その前に見た映画がちょっと吹っ飛んでしまったくらい。まぁエログロ程度で言われれば、そうなんですが、途中から人殺しがたしかに流れ作業に思えてくるから面白い。いちいち人が死んだくらいでギャーギャー叫んでいてもねーと。人権だなんだと幻想の中に生きている人からすれば、それは悪だけれど、俺は一人できちんと生きているんだと言われりゃ、それはそうかもしれないですねと。生きているって辛いんだよ。

お前は何も解決していない。おれは自分で解決して生きている。グロテスクなシーンに目を奪われがちでしたけども、それでも主張するメッセージには割とこの殺人鬼嫌いになれないなんて思いました。

途中で社本に話していた、おやじは頭が狂っていてさ自分は虐待をされていたという話は嘘の自己弁護なのかなーくらいに思ってましたが、死にゆく中でその記憶が思い出されたかようなうわ言を口にしているのを見てまた何か、なんとも言えない気持ちになりました。