『プロメテウス』 リドリー・スコット監督


映画としてはたぶん面白くないです。まぁ個人的には結構気に入った映画。


キャッチコピーが良くないよね。「人類はどこから来たのか」 つまりは自分たちのデザイナーが存在するのではないか?っていう人間本位な考え方っぽくもとれる系統の話。この映画はそういった自分たちの起源にまつわる話をメインに据えてるわけでもなく、言ってしまえばエイリアンの前日譚で、内容も概ねその焼きましに過ぎない笑。その辺は結構残念だなーとは思いつつ、映像的な美しさや、ロボットとして登場するデヴィッドなんかは割と好みでした。逆にスポンサーの老人は無駄に小さい男でガッカリ。アレぐらいのことをする人間はもっとロマンチストでも良いのにっていう個人的趣味から言えば、そんな願いのために、彼らに会おうなんて思ってはいけないよ…!!創造主は救世主でもあるという宗教的な観念で彼らを捉えているからそう思うのかもしれないが…。十字架を主人公に付けさせていたしね。自分たちのエンジニアがいるのが分かった今となっても、それでもあなたは神を信じるのですか?と

 案外エイリアンと遭遇するのは人類ではなく、その人の創りだしたロボットという方が好きかもしれない。だからこそ、デヴィッドが良かったわけですが。彼は人ではなく感情もないのかもしれないが、知的生命体が持つであろう、好奇心は備えている。彼こそがエンジニア(創造主)とコンタクトをとるには相応しかったのだが、残念ながら、エンジニアは真面目にコミュニケーションをする気はなかった。彼らの行動の意図はその流れは分かっても、その動機などはほとんど明かされない。それには別の形でデヴィッドが「なぜ人間は私を作ったか?」という質問に対して人間であるチャーリーが「それが可能であったから」と答えることでしか、作品中には示されない。それでもまぁ、エイリアンを見ておかげで結構楽しめました。単体の映画としては結構厳しいとは思う。終わり方なんかは結構好きでした。

人類の起源とは?的な話であるなら、やはり「星を継ぐもの」みたいな話を期待してしまうよねー。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)