『桐島部活やめるってよ』 吉田大八監督

すっごく良かった!

橋本愛のファンとしては彼女が出ていただけでもう満足だったりするわけですが、思っていた以上に好きになった映画でした。


なんていうか高校生活の全てがこの映画にはあるよねっていいたくなる映画。この映画には結構たくさんの視点があって、見る人それぞれに視点が用意されているからこその人気なんじゃないかなーなんて思った。高校生活におけるそれぞれの層がだいたいそろってる。正直観る前は桐島って神木くんが演じる前田君のことかと思っていたら違ってましたね。

高校生ってちょうどターニングポイントなんだと思う。

何もない人にとっては生きているだけで、その不毛感に耐えられない。そして何があるかも分からないのに踏み出せない、自分にはどれだけのことができるか分からない。何でもそこそこ上手くできる宏樹は、それに気づくことなく、何の気なしに日常を過ごしている。野球部の部長がどんなに勝てなくても、ひたむきに練習し続ける姿や、桐島が部活を辞めたこときっかけに少しずつ、考え始める。そして映画部の前田に「かっこいい」と言われて、自分には何もないのに…となる。

そんなストーリーなわけだけど、たった数日の話を多視点で語る形式はすごく良かったと思う。今回は珍しく二回も観たけど、二回目はそれぞれの想いを最初から分かって観れるので、各人の行動ひとつひとつを丁寧に観ることができて、一度目には気づけなかったポイントなんかもあって良かった。


結局、本当に最後まで諦めなかった人だけが、何かをできるとは思う。もちろん、諦めずに続けていても、結局は才能がなければ勝者にはなれないかもしれない。でも最善の努力と諦めないこと、この2つがなければ何もできないと思う。

1/11 じゅういちぶんのいち 4 (ジャンプコミックス)

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ちょうど、1/11で、医者か何かになろうとした子が一度、高校受験で失敗して医者になることを諦めた子が、主人公とサッカーをやって、頑張った末に一点入れたんだけかな?したときに、そうだ、僕はできないと思っているだけなんだ…!と気づいて、サッカー部を辞めて、その後必死に努力をして医者になるって話があるんですけど、ようはここに繋がってくるんだと思います。彼にはサッカー部でシュートを決められたあの時の自分ならきっとできるという、確信が彼の支えになっている。どうやって諦めずに頑張れる動機を自分で保つことができるか。


まぁこの映画は途中で諦めちゃった人たちの話ではあるんで、この後の話でしたね笑。でも、ほとんどの人がそうだからこそ、共感できる人が多いんじゃないかな笑。あと、一番吹奏楽部の部長は地味にすごくカッコ良かった。あそこへ行く覚悟だけを見れば一番カッコ良かった。

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主題歌も結構良くて気に入りました。まさにこの映画にぴったりの歌詞だった。