『アメイジング・スパイダーマン』マーク・ウェブ監督

これもまた映画館で観れば良かったと後悔する作品でした。


3Dアクションのシーンはさすがスパイダーマンといったところで、いい動きっぷりには満足。今回は3Dであるから主観視点も用いられていたしね。尚更、映画館で観るべき映画だったなーと思う。アベンジャーズみたいな3Dがおまけにしかならない映画はともかく、きちんと3Dであることを意識した絵作りになっている映画はやっぱりちゃんとした環境でみたいと思うもの。

内容的にも変に正義とは何か?てな感じに悩むヒーローとかではなく、間違いもするし、ただの人間らしさがたっぷりのスパイダーマンはある意味新鮮でした。前作がヒーローとして生きる辛さ、個人として生きられないことの苦悩みたいなのが結構ありました(記憶が古いので自信ない)。でも今作では救った子供の親に最後に、助けてもらって最後の決戦に行くシーンや「一人じゃないぞ」とヒロインの父親に言われるシーンなんかもある。クレーンが目指すビルに向かって道を作っていくところはかなり泣けます笑。

ようはヒーローである主人公が孤独じゃない。一番重要なヒロインにも秘密をきちんと打ち明けている。このあたりが大きな違いだとは思う。逆に言えばヒーローであることに苦悩したのが前作ならば、今作はまだヒーローですらないんだよね。両親がいない喪失感を抱える彼は、おじとおばの夫婦からの無償の愛を、無条件の肯定を再認識することで最後にようやくヒーローとしての心の強さを手にする物語になっていると思う。

次回作からが本番ではあるので楽しみ。ヒロインが死なないといいけど。