音楽はコンテンツの未来


http://www.musicman-net.com/SPPJ01/index.html
なんとなくspotifyの記事を探して見つけたこの連載がとても面白い。

正直なところ、音楽が大好きな人達にとってはspotifyとかPandoraなんて知らないわけないでしょ?みたなサービスだったりするとは思うんですが、なにせ日本ではサービスインしていないからこそ、名前を知っている程度って人は多いんじゃないでしょうか。

フリーミアムモデル

ネット上ではすべてのものがフリーに近づいていくという基本的な流れは良くも悪くもみんなの認識ではあるでしょう。

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

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ならネット上のサービスで、どうやってマネタイズしていくか?と考えられた結果今一般的なのがフリーミアムモデルです。まぁこんなのは説明しなくてもって感じですが、基本的なサービスを無料で提供し、大量のフリーライダー(無料で利用する大量の顧客)を抱えながらも、一部のお金を払っても良いという人により高度なサービスを提供するモデルのことです。Evernoteなんかが分かりやすい例でしょう。ネット上のサービスでは多くがこのモデルや広告などを用いてマネタイズしている例が多いです。この業界の基本的な流れとして、最初に市場でのシェアを確固たるものにしてからで、マネタイズは後から考えるというスタンスからもこの手法が必然的に生まれたとも言えます。

サブスクリプションモデル

日本なんかだとSONYのMusicUnlimitedのような定額配信サービスですね。
Music Unlimited | ソニー

■今の主流のサービス

連載第00回 1. 音楽の違法DLは世界で95% 解決できないiTunesと解決できるSpotify | Musicman-net
iTunseは音楽業界の救世主ではなかった。海賊版ダウンロードをiTunesは駆逐することはできなかった。ネット上では無料で手に入るという認識ができてしまった世界ではそう簡単に前のモデルが通用しないということでしょう。これらの記事にもあるようにiTunesは有料で購入するメリットを海賊版のダウンロードより上回ることができなかった。基本的には海賊版(入手に手間がかかる&無料)、iTunes(入手が簡単&有料)という構図のままでは勝てない。

それに勝つにはやはり無料というものしかない。
連載第01回 「Facebookミュージックはすでにある。Spotifyだ」 | Musicman-net
まずSpotifyは先の2つの複合型と言えます。フリーミアムモデルかつ定額のストリーミングサービス。重要なのは配信にあたってのビットレートが320kbps(プレミアムユーザーの場合)であること。普通のユーザーであれば、このくらいの音質であればまず不満を持つことはないでしょう。ソフトウェアの出来に関しても素晴らしいようですし、すごく羨ましい。海外では4大メジャーレーベルを抑えればほぼ音楽カタログが網羅される点からも、かつての日本のiTunesのように中途半端なラインナップでイマイチということもないようです。そしてユーザーが作ったプレイリストを共有し、そのまま再生できるのが無料の定額サービスである利点でしょう。

連載第24回 Pandoraが切り拓く 音楽産業のブルーオーシャン | Musicman-net
そして、とても面白いのはPandoraの方なんですが、こちらは記事を読んで欲しいですね。Spotifyと異なるのラジオ型サービスであることですね。大量にある音楽ライブラリからどうやって新しい出会いに巡りあうかの答えとなるサービスです。一曲ごとにプロによる音楽の2000項目近くのタグ付けをしたデータベースによってリコメンドするタイプ。精度が高く、波形解析なんかのようなモノではなく人による解析であるところが本当に凄いなってポイントです。

これらの優れた点は、従来のiTunesのようなサービスでは中々、提供できなかった新しい音楽との出会いを生み出し、今までならば発見することのできなかった曲をユーザーに教えることができ、大量の音楽カタログをユーザーに公開しながらもビジネスとして成立させていることでしょう。コンテンツビジネスで非常に重要なのはいかにユーザーが好むコンテンツを知ってもらうかで、これが今までのサービスでは中途半端だったり、できていなかった。

■ダウンロード型に将来はあるのかな…

しかしながら、コンテンツに関しては各国の著作権事情に非常に左右されてしまうので、一概に日本でもこれをとは言えません。とは言え、これらのサービスに対向するにはという選択肢として、この連載ではHD配信というのが挙げられていました。個人的にもそれは非常に切望しているんですが、果たしてHD配信を喜ぶユーザーってどの程度いるんでしょうかね?音楽に限らず、例えばBlue-rayを選ぶ人は4Kもとなりますが、普通のユーザーのほとんどはその高画質を求めていませんし、また分からない人も多いです。映像は再生機器の差が目立ちにくいですが、音楽は再生機器の性能に非常に左右されてしまうので、たいていのユーザーには違いは分からないでしょう。

アップルのネットラジオ参入で大激変!?私たちの新しい音楽の楽しみ方|ビジネスモデルの破壊者たち|ダイヤモンド・オンライン
現時点でのベストはiTunes+Pandoraみたいですが、Spotify型も含めてどうなるんでしょうかねー。音質に関しては今のストリーミングサービスでも十分だったりしますし、ダウンロードタイプのサービスが生き残るには別の付加価値なしでは難しい気もします。