『かくかくしかじか 2』 東村アキコ

かくかくしかじか 2 (愛蔵版コミックス)
楽な方を選んでしまうの人の人生とその後悔が描かれていて、読んでいていろいろとくるモノがある。

ようやく美大に合格して、美大生となった後、絵が描けなくなる。まぁ美大に限らず、大学生っていうのは人生で一番、ダメな生活を送ることが多い時期かと思います。その例に漏れず、遊びほうけてしまう。自己管理ができない人間ほど、大学はダメになりやすい空間です。自分がまさにそのタイプの人間なので良くわかる。彼らは環境によってでしか変われない。自分の意思で行動すると低い方に流れていく。言ってしまえば、動物的、短期的な衝動で生きる生活ですよね笑。だからこそ、鬼教官のような先生に出会えたことがとても良かったのだと思う。

先生が睨みを利かせてくれると
私の手はどんどん動く
迷うヒマも考え込むヒマもないから
瞬間的な直感だけで
すべてを決めて

絵の先生っていう師匠と弟子のような主人公と二人の関係がとてもいい。本人が後悔しているように、全く持っていい教え子ではない。自分の知る小さな世界がその全てで、その外にある事実にはまるで気付きもしないで。その先生がどんなに自分のために行動してくれていたのかが後になって気づくシーンはどれも、すごく悲しいけれどとてもいい。

自伝マンガというけど、エピドードの最後には先生へのメッセージがあります。その切ないメッセージと笑いが両立している素晴らしいマンガなので凄く気に入った作品です。

他のも買って読んでみよう。