『きっと、うまくいく』 ラージクマール・ヒラニ監督


きっと、うまくいく(インド映画)
原題は「3 idiots 」で三馬鹿というタイトルなわけですが、今作は珍しく邦題の方が好きかもしれません。

大学で出会った三人の親友の学生時代がメインストーリーでありつつも、人生を含めたスケールでどう生きるがか重要なポイントとして描かれていました。「きっと、うまくいく」をキーワードによってポジティブに、自分のやりたいことに正直に生きるランチョーに友人二人が大きく変えられていく話です。正直、言葉自体に大した意味は無いし、それで何かが変わることはほぼありませんけど、人生を生きる態度として、きっとうまくいくことを信じることは非常に意味のあることだと思います。というかそうしなければ生きるのはとても辛いので、自分を駆動させる力を持っている言葉だとは思うのでこういう話は結構好きです。

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ニコニコ動画で散々、インド人が踊るMAD動画は見ていたけど、本当にインド映画は踊るんですね笑。一回とかそういう頻度ですらなく、結構踊るシーンが入ります。この映画自体、3時間近い長いものなので、こういったのがないとちょっとキツイというのはあるので良かったですね。

普通に笑える映画ですが、意外にシリアスな話題にも触れます。大学そのものが競争社会を目指した校風であるがために、そこからの脱落者が登場します。とはいっても、激しく落ち込むってことはありません。この辺の学歴社会の問題点というのはインドだけの話でもなく、日本でも過去によく言われたことですよね。まぁインドでナンバーワンの大学に入る実力がある時点でそこの中での成績を目指すよりも、自分のやりたいことを目指すべきってのはある意味当たり前、その実力が前提にある発言ではありますよね。「優秀なら成功は後からついてくる」というセリフはまさにそれを意味してます。

単に先進国になる過程で生まれるトレンドだけに関係なく、自分の才能を、やりたいことを追求することの価値はもう現代では当たり前の事実かもしれません。単なるオールマイティーに優秀な人間に価値がある時代はすでに終わりつつあります。


自分はシネマート新宿で見ましたが、結構シニア層が多くて新鮮でした。平日の昼間なのにかなり混んでいました。普段見ることのないインドの映画な分、映像的な演出の部分だったりとか、いろんな点で面白いので結構誰にでもお勧めできる作品です。