『ハックス!』 今井哲也
高校のアニ研で実際にアニメを作ろうというお話。
高校だと尚更かもしれないけど、「げんしけん」のような緩い人間関係ベースの部活とかサークルってぶっちゃけかなり難易度が低い。人間関係にさえ気を使えばいいから。でも、こういった目的というか目標が設定されている部活とかサークルって必ず、「目的のために存在する部活」なのか「みんなが楽しくやれるための部活」の2つの方向性で揺れることになる。この話は最初から完成するかしないかの二択であるようなアニメという題材なので、その過程で脱落していく人がいるっていう展開になっています。
- 作者: 木尾士目
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/12/18
- メディア: コミック
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まぁやりたいこと、できることって間違いなく人それぞれだけど、何も出来ないってことはほとんどない。まして部活やサークルなんかでは、高いモチベーションを持っているかどうかが全てだとは思う。しかしながら、そのモチベーションの落差がチームとしての人間関係を破綻させやすいという難しい側面もあります笑。同じくらいの動機を持った人を集めるのって高校だとかなり不可能に近いし、大学でやっと近いかなというレベルです。
他の部員は彼と同じだけ描いて提出しないと、口を挟むことができないんですよ。監督本人も、口には出さないまま無言で動画を一杯描いて、やる気のないヤツを会室に入りづらくさせるということを平気でやる人でした。http://tokyomangalab.com/?interviews=tetsuyaimai
まぁそれでも基本的には少人数であれば、リーダーの方針がはっきりしていれば何も問題はないというか、勝手についていけない人は脱落していきます。この手の問題って人数が多くなってからが本番なので。規模がある程度必要ということになると、低いモチベーションの人たちをどう管理していくかが重要なポイントになります。それらが簡単でないのは当たり前なので、ある程度の妥協ポイントと最低限のところで切り捨てる意識を常に持ちながら良いバランスを保つのが無難なやり方にはなりますよね。ダメなものはダメと割り切り、でも努力可能な部分は諦めず試行錯誤する。決断ができないことが全ての不幸の始まり。
主人公のみよしは、好きで一点突破するタイプのキャラクターであんまり他人を意識しないタイプなのかと思いきや、一応は気にしているのが面白かった。適度な鈍感さを持ち合わせながら、他人に大しての配慮を持つ意識があるってのは凄くいいな。自分の持っているコアの部分を失わずに、かつ周りとの人間関係を構築していくってとても難しい。個人的にはぶっ壊れているくらいの人が好みだけど、現実はそんな人の隣にはいたくないですからね。
- 作者: 鴨志田一,溝口ケージ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/01/10
- メディア: 文庫
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