『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
アニメ化している四畳半神話大系はとりあえずアニメが終了してから読もうと思っているので、太陽の塔の次としてこれを読みました。この2作品とアニメはかなり世界観が共通しています。というか同じです。主人公の「私」はたぶんまんま作者なんだと思います。この本の解説で羽海野チカもそう書いているあたりそうなんでしょう。四畳半神話大系の影響もありますが、この三つはすべて並行世界みたいなもんですよね。「私」が大学生においてあり得た可能性のお話にみえます。嫌いな人は嫌いでしょうけどこの「私」の妄想が面白いです。最終的にはやはり自分が行動するしかないわけですが、その一歩のためにとんだ遠回りをしていく男のお話であって、この本は分かる人は分かるし、分からない人は分からない本です。たぶん。