『主人公は僕だった』 マーク・フォースター監督

 国税庁の会計検査官ハロルド・クリックは、規則正しく単調な毎日を送る平凡な男。ところがある朝、彼の頭にナレーションのような女性の声が聞こえる。それは断続的に聞こえるようになり、文学的な表現でハロルドの行動を的確に描写していく。どこかで自分を主人公にした小説が書かれていると疑い始めたハロルドは、“このささいな行為が死を招こうとは、彼は知るよしもなかった”という信じがたいフレーズを聞いてしまう。困惑した彼は、文学を専門とするヒルバート教授に相談してみることに。そんな中、国防費に抗議して税金の一部を滞納し続ける勝ち気なパン屋の女店主アナに心惹かれていくハロルドだったが…。
映画 主人公は僕だった - allcinema

最初はいったいどんなストーリーになるのかと思えば、なかなか珍しい、かなりメタ的な話でした。小説に書かれている主人公が神の視点でメタ視点で自分の未来を知った上でどう行動するかという話なわけで、そこに救いがなくてもいいじゃないかと思ったりするけど、ハッピーエンドで終わる話でした。作者の選択は致し方無い。話の構造は面白かったけども、その展開にはいま一つ物足りなかった。