『ダークナイトラ イジング』 クリストファー・ノーラン監督

割と批判も多いラインジングですが、個人的にはかなり満足した映画。

今作は、「ダークナイト」の悪役であるジョーカーにはまるで及ばないというのはまぁ納得ですね。そもそもがジョーカー自体が究極の悪役とも言える存在。絶対悪としてのキャラクターなので超える事なんてできない。根拠のなさこそが悪としての完璧さを誇っていたからだ。彼は純粋な悪として登場したが、ベインたちはもっと中途半端な悪役だ。動機が存在してしまうのだ。

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ただ、このバットマンシリーズの三部作としてきちんと完結する最後の作品としてはすごく良かった。単体の映画としては、前作に及ばないけどね。そして映像的にもかなり素晴らしかった。アクションシーンは流石のクオリティだし、CGだと思っていたシーンも実写とは凄いなー。最近は実写での撮影かCGなのかは映像をパッと見たくらいでは判断できない。もちろんちゃんと見れば分かるシーンは判別できる。

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映像の凄さはやっぱり他とは違う。ここまでのヒーローが登場するなんていう内容に強度をもたらしている映像だけで正直満足してしまう。もうたまらないです笑。

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悪とどう戦うか。
今作も最近のヒーローモノの系統の話の文脈通り、ヒーローに全てを託してしまうことを否定していこうとする話が多少含まれていた。スパイダーマンも含めて孤独に戦うのがこれまでのヒーローでしたが、それはダメだろうと。私たちもできることをやるんだっていうのが最近の流れ。もっともストーリーとしては警官のジョン・ブレイクが同僚に、自分たちでやれることをやろうと語りかけるわけですが、結局は叶わない。実際に戦うのは警官たちで、市民たちではないのは少し残念な展開でもあったかもしれない。まぁ今回はシチュエーションとしても完全に暴力が支配する空間での戦いになってしまうので難しいバランスではある。

「ヒーローはどこにでもいる、それは上着を少年にかけ、励ますような男だ」って台詞にそこは集約されている感じはする。それでも希望となるヒーローは必要なのだ。個人としてのヒーローではなく記号としてのヒーローの存在こそが。だからこそ、あのラストに繋がる。まさに三部作を締めくくるにはふさわしいラストになっていると思う。

いやーこれだけいい映画を見せられると、次にやるらしいこのSF映画も見に行くしかないなー。
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