次のワクワクするデバイスは何か


スマートフォンの話題にはもう新鮮味がとくにないのでわくわくしない。最近の流れとしても、HTCがようやく筐体の質感の向上を目指していることからも、単なるスペック競争ではなくなってきていることが分かる。
「HTC One」の第一印象--優れたデザイン、クアッドコアプロセッサ搭載 - CNET Japan
また、覇者となろうとするサムスン電子はこの勢いに乗じて、新しい価値を提供しようと頑張り続けてはいるが、評価は厳しい。
サムスン「GALAXY S4」の第一印象--大画面、アイトラッキング技術搭載 - (page 3) - CNET Japan
ようはもう成熟したカテゴリーになりつつある

次に登場するのはウェアラブル


次に楽しそうなガジェットは何かといえば、たとえばGoogleGlassなどに代表されるウェアラブル端末でしょう。ウェアラブルは以前から、アイディア自体は珍しいものではなく、デバイス自体も結構な昔からあった。そしてようやく具体的な製品がGoogleから出てきた。もっとも、よほど革命的なUIでもなければ、GoogleGlassなどはみんなが使うデバイスにはならないはず。逆に言えば、それほど挑戦的なモノなのですごく楽しみ。

GoogleGlassProjectのサーゲイ・ブリンはスマートフォンがいかに無駄な時間を生んでいるか、それを改善するためにこそ、このデバイスがあると言っている。

同氏はこの講演のなかで、スマートフォンの画面を見下ろしながら、「自分も長い時間こういう姿勢で過ごしているが、はたしてこれが自分の望む人とのつながり方なのか、とよく考える」「下を向いてスマートフォンを操作していると、孤独で骨抜きにされた感じがする」「(タッチ・スクリーンの操作は)ただ何もないガラスの表面をこすっているだけ。自分の妻がいまでもBlackberryを使い続けているのは、そんな感じがいやだから」などと語り、「Glassがあればもっと違った形でコミュニケーションできる」と述べた
とThe Vergeは記している。
http://wirelesswire.jp/Watching_World/201302281308.html

それは正しい。現状スマートフォンはもっとも時間を消費するデバイスの一つとなった。目的にはすごく同感できる。もっとも、アイディアを募集するくらいだから、彼らもまだ利用方法については悩んでいるのだろう。こういった戦略がとれるのがGoogleらしいので非常に面白いのだけど。
「Google Glass」活用アイデアコンテスト、元大統領選候補など複数セレブが試用者に入選 - CNET Japan

全ての人が使うようなデバイスになるのはまだ難しい


最初のコンセプト動画では人の視界全体で映像の表示を行うものになっていたが、下の動画のように現時点では右上の一部に表示する形に落ち着いている。技術的な問題もあるだろうが、このようになったのは、おそらく安全性の観点からだと思う。特定のシチュエーションに特化したデバイスではないのに、画面全体に表示するUIでは非常時に視界に入る情報を見逃す恐れがある。この辺は画像認証技術が進めば改善もできるだろうが、今ではハードウェアの性能的に不可能だろう。

視覚映像の共有


でも、これの登場によって期待されるのは、人の視覚の共有がより普及することだ。今でもGoProなどで人の視覚映像はネット上に上がっているが、GoogleGlassでより、それが普及することは非常に興味がある。

紙を目指すタブレット

【西田宗千佳のRandomTracking】UEIが仕掛ける「enchantMOON」の正体 - AV Watch
UEIが開発中の新型タブレット「enchantMOON」とは - ITmedia Mobile
さらに最近面白いなーって思ったのは、UEIのタブレット。紙を目指すコンピュータ。この辺の認識は正しいのか少し自信はないけど。どう足掻いても、現状ではiPadも他のタブレットも何かを書く動作は、実際に紙に書く行為には程遠い。問題は、今のOSが抱える、描画の際の遅延であり、それが違和感の大きな要素となっている。それをOSレベルでひたすらレイテンシを削っていくことで、人間の知覚速度とほぼ同等の性能を突き詰めている

現実を拡張していくデバイス群とスマートフォン

他にも、もうすでに登場する前からウンザリするレベルで噂があるiWatchなどの製品があるが、結局はスマートフォンが主役であることに変わりはない。方向性としてはより、現実とネットを結ぶデバイスになるはずだと思う。

アップルのiWatch、本当にある? あるとしてもヘンじゃない? | ギズモード・ジャパン
まぁ単純にiWatchの出現可能性については、年内はあり得ないと思う。今までの傾向からしAppleは再発明を行う会社であるので、他のメーカーが挑戦した後に登場するのではないかと思う。まぁ現時点でのスマートウォッチは存在するけど、お粗末なものなのでもう少しマシなものを他者が出してからになるはず。

この辺りの話題を考えていると全く新しいデバイスを作るのは非常に難しいのが分かる。ゼロベースのモノにはその新規性から社会に馴染むまで一定の時間が必要だ。Googleglassだって今では笑いもののオモチャに過ぎないが、もしかしたらこの系統のデバイススマートフォン並に普及する未来も…って言っても難しいって思うから現実は厳しい。人の見た目に影響する要素ほど、一般の認識を変えていく必要があるので、一筋縄にはいかない。