『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 伏見つかさ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (12) (電撃文庫)
良かった。

この作品は妹である桐野がエロゲーが好きという設定から「エロゲーだったら」という仮定をすることが多い。だからこそ、現実の残酷さとどこまで立ち向かうかという点ではとても面白かった。京介の好きなところは何でも相談に乗るし、それに答えようとするけれど、現時的でない要求には答えられない。あくまで彼のできることしかしない。その中で最大限努力するからカッコイイわけですが。

俺妹は各ヒロインがとても可愛いので、あやせとか大好き過ぎてヤバかったです。途中にあやせのターンに入ったときは歓喜しました笑。良くも悪くもエンタメに徹しているので、いろんなヒロインがきちんと活躍したのはとても良かったと思う。アニメではあまりない京介の気持ちも素直で良かったしね。あれだけのイベントがあっていろいろ考えないわけがないし、泣いて後悔するのはかっこ悪くても、当然です。そのカッコ良さとカッコ悪さのバランスが優れていた作品なのかなーと思います。

少し残念なことと言えば、真奈美がとても面白い幼馴染ヒロインなのにも関わらず、活躍の場が少なったことでしょうか。彼女はとても良い子なだけに、そしてその行動上あまり表舞台には出てこないのが特徴で、ラスボスとしてだけではなく、もっといろんなシーンが見たかったかな。とはいえ、やっぱり12巻できっちり終わった、いい作品だったと思います。