『死ねばいいのに』 京極夏彦
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/15
- メディア: 文庫
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他の人がどうであるかはともかく、自分は自分のことさえも分からないで生きて、そして他人を理解していないで自分の都合で世界を見てしまう。カエサル的に言えば、「人間とは噂の奴隷であり、しかもそれを、自分で望ましいと思う色をつけた形で信じてしまう。」ってやつですね。そして、どんなに違うと思ったって、特別なことなんて世の中にはほとんどないと言っていい。どう感じていようがそれはありふれたことでしかない。そうしているのは自分でしかない。6人による語りのどれもがいわば同じ事の繰り返しで、それが鬱陶しさなのかもしれないけれど、そのどれかで思う人もいるはず、自分の身勝手さに。まぁそんなことは思わない人いるかしれないけど笑。
それでも、どんなところに自分がいたとしても生きたいと思う側にいるのならば、それはやっぱり生きるしかない。