『Steve Jobs』 ウォルター・アイザックソン 

スティーブ・ジョブズ II

Appleという会社はどんなことがあってもスティーヴ・ジョブズなしには語れないでしょう。この本で語られるいくつかのことには非常に面白いことがあって、それはAチームの人間とBチームの人間という話。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120619/233535/?P=1
誰しもが語る一つのこととして、一緒に仕事をするのは非常にストレスがかかる。まxこの辺はとてもいろんな媒体で語られている話しなのであまりいちいちここでは説明しませんが、才能がないと判断した人間は徹底的に排除するし、そして返ってきた成果に対しても非常に厳しく評価するというのが彼の特徴でしょう。Aチームの中にBチームの人間が混ざるとダメになるという指摘は正しい見方ですし、彼のガラクタと思ったら、素直にガラクタとしか言わない物言いも、常にあるのは自分が正しいと信じていることをその通りに伝えているだけです。多くの人はそれに耐えかね消えていき、その判断が正しいと思った者達が残るそれが彼の望んだ結果でしょうし、実際にそういった会社になったはずです。Appleのコアはたぶん、その圧倒的な正しさのもとにある厳しい社内状況と、選択と集中がポイントでしょう。

■正しさのポイント
イノベーションをどうやってなすかなんて答えはそこにしかないと思います。正しさを追求することだけ、もっともスティーヴ・ジョブズが他とは違うのは彼は自分を信じて正しさを常に考えている点でしょう。正直なところ絶対的に正しい事柄なんて世の中にはありません。はっきり言って自分が正しいと思うってことは相当に難しいことだと思います。なので結果としての数字に頼るのが一般的であり、普通にある正しさだと思います。典型的なのはSamsungなんかはそういう優等生的な会社に思えます。最初こそ、どんな手段を使ってもというちょっと目に余るものを感じましたけど、でも彼らは常に地道な改善や努力をし続けていますし、非常に合理的な会社だと思います。ビジネス的に正しい価値を提供することに関してはとても上手いと思う。それはGALAXYシリーズを見ていれば分かる。
Samsung Galaxy S3 16GB GT-I9300 SIMフリー

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でもそこから生み出せるのは新しいマーケットではなくって、2位でいる限りには問題ないんだけど、1位になったら自分で新しいものを生み出さなければいけなくなります。実際Samsungはようやくその立場にたどり着いたと言えますよね。今はまだAppleがかなり批判されるポジションにいますけど、いずれ彼らもそういう立場になる日がくる。今でもGALAXY Noteという形でSamsungは新しい価値の創出に努力していることが伺える。



だから、ジョブズがいなくなると問題に思えてくるんですよね。でも、彼の作ったものはAppleという会社であって、それが生み出せる仕組みを作ったことに非常に意味があると思ってる。彼は別に自分一人でデザインしたわけでも、アイディアを考えたわけでもない。それはジョナサン・アイブだったり、現CEOのティム・クックといった周りの人達も含めた全員の結果によるものであると思う。

■変化は避けられない
だからこそ、あの会社を評価するには、その構造が生きているか?というのが大事であって、誰がということではないと思う。


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