『2052 今後40年のグローバル予測』

2052 今後40年のグローバル予測
『今後40年で世界がどのように変化していくか、それはきっと悲観的なものになるだろう。ただ、問題が徐々に顕在化するのに合わせて、もう手遅れなのだという事実が分かるだけなのだ』という本。

ポイントは持続的成長は望めるのか?という視点です。もう数十年前から問題提起はなされていながら、地球の有限性についての具体的な取り組みというのは相変わらず小さい。GDPによる成長指標を今後も続ける限り、必ず地球のキャパシティを超えている成長には必ず限界が訪れます。というかすでに限界を超えているのは数多くの統計指標からも明らかでありながら、全く変わることができていません。

 グレートバリアリーフへの土砂廃棄の決定は国際社会から厳しい目を向けられているが、アボット政権のこれまでの環境政策を考えれば順当ともいえる。昨年9月に政権の座に就いて以来、アボット環境保護にかかわる政府機関を既に3つも解体している。さらに科学担当大臣をまだ任命していない。

 アボットは以前、「地球温暖化論は完全にたわごとだ」と発言したことでも知られる(後に撤回)。彼は前政権時代に可決された炭素税の廃止を公約に掲げて、昨年の総選挙を戦った。二酸化炭素の排出に課税する炭素税の廃止が「議会における最優先事項だ」と訴えた。
 アボットはまた、タスマニア原生林の一部、7万4000ヘクタールを世界遺産登録から解除してほしいと国連に求めている。理由は木材の伐採地として利用したいからだとか。
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