『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である 』 小林 弘人

ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)
web上での出来事が現実世界に与えている影響は以前はとても小さかったように思います。ただ現在ではソーシャルメディアだけでなく、様々な面でウェブ的なモノが現実世界にも持ち込まれています。
MAKERS 21世紀の産業革命が始まる世界はひとつの教室


この本で語られているのは、そんな時代の流れの中でどう仕事をしていくかということなんですが、『企業が「帝国化」する』で松井さんが語っていたように複数のスキルを組み合わせた人材になれってことなんですよね。ようはただ既存の分野でのトップを目指すことは非常に難しい時代です。ことさら変化の激しい現在では他の業種からGoogleのような破壊者が現れたときに対抗するのはとても厳しい。
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となれば、いろんな組み合わせで考えていくしかない。インターネットがこれだけ普及した今でも、テクノロジーが普及していない分野はまだまだあります。そうはいってもGoogleの最近の動きは非常に機敏で、ネットから現実世界へと軸足を移しています。だからこそ、未来を知りたければあの会社を見るべきなんですよね。
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これからはネットはPCやスマートフォンの中という存在から、どんどん現実世界へ侵食していきます。ネットからリアルの流れはより加速していくでしょう。ウェアラブル端末のGoogle Glassに限らず、M2Mなどたくさんのセンサー群がネットに繋がっていきます。インターネット上にはない情報がたくさんあるというのは今でも変わらない真実の一つですが、インターネット上にデジタル化されていく情報は加速度的に増えていきます。

そんな世の中でどこまで情報をシェアしていったりするのかは個人の選択とも言えると著者は言いますが、それ以外のモノは果たしてどこまで選択可能になるのか。私自身は悲観的には思っていませんが、今後どうなるのかは非常に気になります。